70代の薬の整理術5ステップ|お薬手帳と薬箱を見直す飲み忘れ防止の知恵

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70代の薬の整理術5ステップ|お薬手帳と薬箱を見直す飲み忘れ防止の知恵
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朝のお茶を一杯いただいたあと、ふと洗面所の小さな棚を開けると、いくつもの小袋やシートが顔を覗かせる――。「これは何のお薬だったかしら」「いつもらったものかしら」と、首をかしげてしまうことはございませんか。お薬の数が少しずつ増え、お薬手帳が何冊にもなっていく。それは、私たちが歳を重ねた証であり、同時に「向き合うときが来ましたよ」という、暮らしからの優しいお知らせでもあるのです。

片付けマダムのすみ子です。今日もブログにお越しいただきありがとうございます。

毎年この時期になりますと、私のもとには「母が同じ薬を飲み忘れて入院しました」「父の薬箱を整理したら期限切れがびっしり」「お薬手帳が4冊もあって何が何だか」――そんな切実なお声が次々と届きます。

そう、70代を迎える頃から、私たちの暮らしには「お薬とのお付き合い」が、少しずつ大きな比重を占めるようになってまいります。

厚生労働省のデータによれば、75歳以上の方の約4割が5種類以上のお薬を毎日服用していらっしゃるそうです。これを「多剤併用」、専門用語では「ポリファーマシー」と申します。
お薬の数が増えれば増えるほど、飲み忘れや飲み間違いの危険も高まります。日本老年医学会の報告では、70代以上の方の薬の飲み忘れは月に平均5回以上。そして異なる病院や薬局で同じ作用のお薬を重複して処方されているケースが、約2割もあるそうなのですよ。

飲み忘れは病気の悪化につながり、飲み間違いや重複は副作用や転倒事故の原因になります。でもね、皆さま。
薬箱とお薬手帳を一度しっかり整理するだけで、これらの危険はぐっと小さくできるんですよ。

なお、今日のお話はあくまで「一般的な整理のヒント」でございます。お薬の中止や変更、飲み方の変更は、必ずかかりつけのお医者様や薬剤師さんにご相談くださいね。 自己判断は本当に危険ですので、ここだけは何度でも繰り返させてくださいませ。

それでは、70代の薬の整理術を5つのステップに分けて、ひとつずつご一緒にめくってまいりましょう。

👉なぜ「70代こそ」薬の整理が大切なのか

まず初めに、なぜ70代になってから薬の整理が特別に大切なのか。そのお話を少しだけさせてくださいませ。

歳を重ねますと、私たちの体は若い頃と比べて、お薬の代謝がゆっくりになります。同じお薬でも、効きすぎたり、副作用が出やすくなったりするのですよ。
さらに70代以上の方が突然倒れる確率は、60代の2倍以上というデータもあります。万が一の時にご家族や救急隊員さんに「何のお薬を飲んでいたか」がすぐに伝わらないと、適切な処置が遅れてしまうことも。

そして何より深刻なのが、飲み忘れによる病気の悪化と、飲みすぎ・重複による転倒事故です。
転倒は寝たきりにつながる大きな入り口。一度倒れて骨折してしまうと、その後の人生がガラリと変わってしまうことも珍しくありません。

つまり70代の薬の整理は、ご自分の命を守り、ご家族に余計な心配をかけず、これからの人生を健やかに歩むための「土台づくり」。決して後回しにしていいことではないのですよ。

転倒を防ぐ家の整え方については、捨てないことが寝たきりを招く知恵もぜひあわせてご覧くださいませ。


👉ステップ① お薬手帳を1冊にまとめる――情報がバラバラでは命を守れません

皆さまのお薬手帳、何冊お持ちでしょうか?

「内科は1冊」「整形外科は別の1冊」「眼科のものはまた別」――そんなお家がとても多いんですよ。
でもね、これでは新しく診ていただく先生に、お薬の全体像が伝わりません。薬剤師さんも全部の手帳を確認できないと、重複や飲み合わせのチェックができないのです。

お薬手帳は必ず1冊にまとめるのが、整理の基本中の基本でございます。
新しく1冊を選んで、そこにすべての病院、すべての薬局のシールを順番に貼っていきます。古いお薬手帳も、過去の履歴として一緒にホチキスで留めておくと安心ですよ。

72歳のT子様のお話を、少しさせてくださいませ。
T子様は、内科・整形外科・眼科・皮膚科で4冊のお薬手帳をお持ちでした。「先生によって行く病院が違うから」と、それぞれ別々にお持ちになっていたそうです。
1冊にまとめて初めてかかりつけの内科の先生に見せたところ、胃腸の薬と整形外科の痛み止めの組み合わせが胃を荒らしている可能性があることが判明。お薬の調整をしていただいたら、長年悩まされていた胃のもたれが、嘘のように消えたそうですよ。

お薬手帳の整理だけで、体調が改善することもあるんですね。

新しい1冊には、表紙にご自分のお名前と緊急連絡先、アレルギー情報も書いておくと安心です。「ペニシリン系アレルギー」「造影剤アレルギー」など、過去に副作用が出たお薬は必ず明記しておいてくださいね。


👉ステップ② 薬箱から期限切れを処分――「いつのか分からない薬」は危険信号

お台所や洗面所にある薬箱の中身を、今日一度すべて出してみましょう。

いつ買ったか分からない胃薬、何年も前にいただいた風邪薬、開封後何年も経った目薬――。皆さまのお家にも、きっと眠っていらっしゃいますよね。

お薬には必ず使用期限がございます。
未開封のものでも、市販薬は3年から5年が目安。処方薬は基本的に「処方された分の服用期間内」が前提です。
そして開封したものは、目薬で1ヶ月、シロップで2週間程度が目安なんですよ。意外と短いのです。

期限切れのお薬は、効果が落ちるだけでなく、成分が変質して逆に体に害を与えることもあります。特に目薬や軟膏など、開封後に雑菌が繁殖したものは、かえって感染症の原因になってしまうことも。

70歳のH代様は、薬箱を整理されたところ、なんと30種類以上の古い薬を見つけられました。中には10年以上前に処方された痛み止めまで。
かかりつけの薬剤師さんに相談して、すべて適切に処分していただいたそうです。「薬箱を開けるのが怖くなくなった」と、ホッとされたお顔が印象的でしたわ。

処分の仕方は、薬局に持ち込めば引き取ってくださるところが多いですよ。自治体によっては、有害ゴミの日に出すこともできます。

  • 液体類:中身を新聞紙やキッチンペーパーに吸わせて、容器は資源回収へ
  • 錠剤やカプセル:シートから出して、紙に包んで燃えるゴミへ
  • 目薬:液体を出してから、容器は燃えるゴミ(自治体ルール優先)

いずれもお住まいの自治体のルールに従って処分してくださいね。判断に迷ったら、迷わず薬局へお持ちになるのが一番安心です。


👉ステップ③ 1日1回ピルケースを活用――小さな箱が「飲み忘れゼロ」を作る

毎朝毎夕、何種類ものお薬を1錠ずつ取り出して飲む――。
これは70代以上の方にとって、思った以上に負担の大きい作業なんですよ。

「あら、これ朝飲んだかしら?」「夕方の分はもう飲んだわよね?」――そんな曖昧な記憶のまま、不安を抱えながらお薬を飲んでいらっしゃる方は本当に多いのです。

そこで活躍するのが、ピルケースでございます。
1週間分の朝・昼・晩・寝る前のお薬を、一度にセットしておける小さな整理箱です。日曜日の夜にご家族と一緒に1週間分のお薬をピルケースに小分けする。これを習慣にするだけで、飲み忘れがほぼなくなるんですよ。

68歳のK美様は、朝5種類、夕方3種類のお薬を毎日服用していらっしゃいました。週に2、3回は飲み忘れがあったそうですが、ピルケースを導入されたら飲み忘れがゼロに。血圧も以前より安定して、主治医の先生にも喜ばれたそうです。

ピルケースは100円ショップでも購入できますが、目が見えにくい方には、大きく仕切りが分かれたものや、月ごと・週ごとに色分けされたものがおすすめです。指先が震える方には、フタが大きく開く深型タイプも便利ですよ。
薬局で相談すると、皆さまの状況に合った商品を教えてくれます。

ピルケースに小分けする時は、必ずシートのまま保管したお薬を別途残しておきましょう。シートには使用期限と薬品名が印字されていますから、万が一の時に確認できるようにしておくのが安心ですよ。


👉ステップ④ かかりつけ薬剤師を持つ――頼れる「お薬の伴走者」を見つけて

皆さまには、かかりつけのお医者様はいらっしゃっても、「かかりつけの薬剤師さん」はいらっしゃらないかもしれません。
でもこれが、実はとても大切な「暮らしのお守り」になるんですよ。

かかりつけ薬剤師さんは、皆さまのお薬の履歴をすべて把握してくださる存在です。

  • 新しいお薬が出た時、過去のお薬との飲み合わせを確認してくれる
  • 市販の薬やサプリメントとの相性も教えてくれる
  • 飲み忘れたときの対処法も電話で相談できる
  • お薬の副作用が出た時、すぐに主治医に連絡してくれる

そんな心強いパートナーなんです。

75歳のS子様は、近所の薬局で「かかりつけ薬剤師制度」を利用されました。月に1度、お薬カレンダーを一緒に確認していただくサービスを受けていらっしゃいます。
先日、健康食品の広告を見て買おうとしたサプリメントが、お飲みの血圧の薬と相性が悪いことが判明。薬剤師さんに止めていただいて事なきを得たそうですよ。

「ネットで買おうとした健康食品を、薬剤師さんが止めてくれて命拾いしました」――S子様のお言葉が、今も私の心に残っています。

かかりつけ薬剤師制度は申し込みが必要で、月に数百円ほどの料金がかかる場合もございます。でも、命と健康を守るためのお守りと考えれば、決して高い金額ではありませんよね。お近くの薬局でぜひ相談されてみてくださいね。


👉ステップ⑤ 家族と共有する――「いざという時」の安心の備え

これが実は、5つのステップの中で「一番大切」なステップなんですよ。

皆さまがどんなお薬を飲んでいらっしゃるか、ご家族はご存知でしょうか?

いざ救急車を呼ぶような事態になった時、お薬の情報を伝えられるのは多くの場合ご家族です。意識を失った状態では、ご自分でお薬手帳を出すことはできません。
そして残念ながら、70代以上の方が突然倒れる確率は、60代の2倍以上というデータもあるんです。

「いざという時の備え」として、次のような方法をおすすめいたしますね。

  • お薬手帳のコピーを冷蔵庫に貼っておく(救急隊員さんはまず冷蔵庫を見ます)
  • スマートフォンに写真を撮ってご家族と共有する(LINEやメールで離れて住むお子様にも)
  • かかりつけ医とかかりつけ薬剤師の連絡先をリスト化しておく
  • アレルギー情報を玄関の見える場所に貼っておく

このような備えがあると、万が一の時にご家族が慌てずに対応できるんですよ。

73歳のM代様は、娘さんと一緒にお薬手帳を確認する習慣をお持ちです。半年に1回、帰省された娘さんと薬箱を点検して、お薬手帳のコピーをお渡しになる。
先日、M代様が転んで救急搬送された際、娘さんがすぐに病院にお薬の情報を伝えられて、適切な処置が受けられたそうです。「あの習慣に救われました」と、娘さんも涙ぐんでお話しされていましたわ。

お一人暮らしの方は、ご家族だけでなく、ケアマネージャーさん、訪問看護師さん、民生委員さんにも情報を共有しておくと安心です。お薬手帳のコピーは1部余分に作って、いつも目につく場所に貼っておいてくださいね。

ご家族に負担をかけないための備えについては、子供世代に負担をかけない老後の準備もぜひあわせてご覧くださいませ。


👉薬の整理でやりがちな「3つの失敗パターン」

ここで、薬の整理でよくお見かけする3つの失敗パターンを、こっそりお伝えしておきますね。

失敗パターン1:自己判断でお薬を中止すること

これだけは絶対に避けてくださいね。
血圧の薬や心臓の薬、糖尿病の薬を勝手に中止すると、命に関わる発作を引き起こすことがあります。「最近調子がいいから飲まなくてもいいかしら」――その判断が、取り返しのつかない結果を招くこともあるのです。
お薬の中止や変更は、必ずお医者様や薬剤師さんに相談してから。これだけは何度でもお願いいたしますわ。

失敗パターン2:期限切れを判断せずまとめ捨てすること

「古いから全部捨てちゃいましょう」――そんな勢いで処分すると、処方されたばかりの大事なお薬まで一緒に捨ててしまっては大変です。
シートには必ず使用期限が印字されていますから、一つずつ確認してから処分してくださいね。難しい場合は、薬局にお持ちになって仕分けを手伝ってもらうのが一番安心です。

失敗パターン3:ご家族や知人にお薬を譲ること

お薬は症状が似ていても、その方の体の状態に合わせて処方されたものです。他の方に譲ることは法律でも禁止されていますし、何より大変危険です。
「ご近所の○○さんも腰が痛いって言ってたから、私の痛み止めを分けてあげようかしら」――そのお気持ちは優しさですが、ぐっと飲み込んで、必ず病院を受診するようお伝えくださいね。
ご家族でも自分のお薬は自分のもの。これが鉄則なんですよ。


👉今日から始める「5つの簡単アクション」

「5つもステップがあると、どこから手をつければいいのかしら……」とお感じになった皆さまに、今日からすぐに始められる5つの簡単アクションをご紹介いたしますね。

アクション1:お薬手帳を全部1か所に集める

引き出しや棚に散らばっているお薬手帳を、まずは1か所に集めてみましょう。
何冊あるか把握するだけで、整理の第一歩になりますよ。

アクション2:薬箱の中身を全部出してみる

テーブルの上に薬箱の中身を全部広げてみる。
使用期限切れのものがどれだけあるか、きっと驚かれると思いますよ。

アクション3:ピルケースを1つ買ってみる

100円ショップで構いません。1週間分のお薬を朝・昼・晩で小分けできるピルケースを1つだけ。
使ってみて便利なら、本格的なものに買い替えれば大丈夫です。

アクション4:かかりつけ薬局を1つ決める

いつもと違う薬局でお薬をもらっていらっしゃる方は、1つの薬局に統一するだけで重複チェックができるようになります。
お近くで相談しやすい薬局を1つ決めてくださいね。

アクション5:ご家族にお薬手帳の写真を送る

スマートフォンをお使いなら、お薬手帳の写真を撮ってご家族にメールやLINEで送る。
これだけで万が一の時の安心が、大きく変わってきますよ。


👉おわりに:お薬と上手に付き合う、穏やかな毎日へ

皆さま、長いお話に最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。

お薬の整理は、単なる片付けではないんですよ。
それは皆さまの命と健康を守り、ご家族に余計な心配をかけないための、大切な「暮らしの仕組みづくり」なんです。

70代、80代と歳を重ねるにつれて、お薬との付き合い方は、どんどん大切になっていきます。
でもそれを難しく考える必要はありません。

お薬手帳を1冊にまとめる、期限切れを処分する、ピルケースを使う、かかりつけ薬剤師を持つ、ご家族と共有する――。
この5つのステップを少しずつ。完璧を目指さなくていいんです。

  • 今日は、お薬手帳を1か所に集めるだけ。
  • 明日は、薬箱を1段だけ整理する。
  • 明後日は、ピルケースを買いに出かける。

そんな小さな小さな一歩が、皆さまの安心と健康を守ってくれます。

そして何より大切なのは、「お薬は減らすことが目的ではなく、必要なお薬を必要な分だけ正しく飲むこと」が目的だということ。

かかりつけのお医者様、かかりつけの薬剤師さん、ご家族――。皆さまの周りには、支えてくださる方がたくさんいらっしゃいます。
お一人で抱え込まず、どうぞお気軽にご相談なさってくださいませ。

そして繰り返しになりますが、お薬の中止や変更については、必ずかかりつけのお医者様や薬剤師さんにご相談くださいね。 今日のお話は、あくまで暮らしを整えるためのヒントとしてお受け取りいただければ嬉しいですわ。

70代からの暮らしを、健やかに、心穏やかに。
皆さまの毎日が、安心とぬくもりに包まれた穏やかなものになりますように。

片付けマダムすみ子は、皆さまの健康と安心を、心から応援しておりますわ。

それでは、また次のブログでお会いしましょうね。
ごきげんよう。

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