【80代の後悔から学ぶ】60代から今すぐやめたい5つのこと|人生後半を豊かにする心の捨て活
新緑がまぶしい五月の中旬、窓を開けると若葉の香りがすっと部屋に入ってきて、深呼吸するだけで気持ちが晴れやかになる季節になりました。皆さま、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。片付けマダムすみ子でございます。
庭先のつつじや藤の花が咲き終わり、これから紫陽花のつぼみが少しずつふくらんでくる、そんな移ろいの中に身を置いていると、ふと自分の人生もまた季節のように移り変わってきたのだなあと、しみじみ思うことがございます。朝の散歩道で見かける緑も、ほんの一週間前と比べてもずいぶん濃くなって、季節は驚くほど早く進んでいくものでございますね。
そんな五月の中旬は、衣替えのシーズンでもございます。冬物のお洋服をしまいながら、たんすや押し入れを整理されている方も多いのではないでしょうか。物の片付けと同じように、心の中にも、もしかしたら手放してもよろしいものがあるかもしれません。今日はそんな「心の捨て活」のお話でございます。
年を重ねますと、もっとこうしておけば良かった、あの時こうしていればと、ふと振り返って思うことが増えてまいりますよね。実際に八十代の方々にお話を伺いますと、共通して「これは後悔している」という声がいくつも聞こえてまいります。けれども、どうかご安心くださいませ。六十代、七十代の今だからこそ、まだ十分に間に合うのでございます。
本日は、八十代になって後悔したことから学ぶ、六十代から人生をより豊かにするために今すぐやめたい五つのことをお届けいたします。人生の後半を、もっと穏やかに、楽しく、豊かに、自分らしく生きるために。八十代の人生の先輩方の経験談から見えてきた、もし人生をやり直すならこれはやらない、ということを五つの視点からお話ししてまいります。それでは、新緑の風を感じながら、ご一緒にゆっくり進めてまいりましょう。
その一、周りに合わせて自分を後回しにすること
ご家族のこと、ご近所のこと、お友達のこと。年を重ねますと、これまでの経験の積み重ねから「ああ、こうした方がいいかしら」と先回りして予想できてしまうがゆえに、ついついやってあげたくなる。そして気がつけば、自分のことは後回しになっている。そんなことはございませんか。
けれども、その自分を後回しにする癖は、気づかないうちに心の疲れとして静かに積もっていってしまうものでございます。八十代のよし子さんは、このようにおっしゃっていました。「もっと自分に優しくすればよかった。もっと甘やかしてあげればよかった」と。今まで頑張ること、ちょっと無理をすることが当たり前になっていた方こそ、ぜひこれからは、自分の心と体の声に耳を傾けて、優しくしてあげていただきたいのでございます。
疲れたら横になる。好きな本を読む。気が乗らなかったらお断りする。そして毎晩お休みになる前に、「今日も一日お疲れさま」と自分に心の中で声をかけてあげる。そんな小さな習慣が、すり減っていた心をふっくらと取り戻してくれるはずでございます。
これからの人生で一番大切なのは、自分の心と体を守ること、丁寧に大切に扱ってあげることでございます。誰かのためにずっと頑張ってきた方ほど、もうそろそろご自分のために時間を使ってもよろしいのではないでしょうか。新緑の季節、芽吹いたばかりの若葉が太陽の光をいっぱいに浴びるように、あなたもどうかご自分の心に光を当ててあげてくださいませ。
「自分を後回しにしない」というのは、決してわがままになることではございません。むしろ、ご自分の心の余裕がふくらんで、結果的に周りの方にも穏やかに接することができるようになる。そういう、優しさの土台になる行いでございます。まずはご自分の心が満ちて、それから自然にあふれた分を周りに分けていく。これからは、そんな順番でよろしいのではないでしょうか。
その二、健康を後回しにすること
「このくらい大丈夫かしら」「病院に行くのは面倒だわ」と、ついそんな風に思って、気づいた時には手遅れだった。そんなお話を耳にされたことはございませんか。八十代の方々がよくおっしゃるのが、「定期的に健康診断を受けておけばよかった」「運動の習慣を作っておけばよかった」という後悔のお声でございます。
体の不調というものは、分かりやすい症状が出てきていなくても、ゆっくり静かに、知らないうちに少しずつ積み重なっていくものでございます。そして気づいた時には、もう大ごとになっている。そんな悲しい後悔を繰り返さないためにも、六十代のうちから信頼できるかかりつけのお医者様を見つけておくこと、お誕生月に人間ドックを受けるなどとお決めになって、健康診断をご自身の定例行事にしておくことが大切でございます。
もちろん、専門のお医者様にチェックしていただくのと同じくらい、日常的なセルフケアも欠かせません。十分でも十五分でもよろしいので、毎日歩く。朝、ラジオ体操をする。動画を見ながらストレッチや軽いセルフマッサージをする。お水をしっかり召し上がる。そんな小さな習慣をコツコツと積み重ねていくことが、年を重ねた未来のご自分への、何よりも大きな贈り物になってまいります。
新緑のこの季節は、外を歩くにもちょうどよい気候でございますね。木陰のベンチで一休みしながら、季節の風を感じながら、無理のない範囲で体を動かしてみる。それだけで気持ちまでふっと軽くなってまいります。健康はある日突然崩れるのではなく、毎日の小さな選択の積み重ねでございます。今日からのほんのひと工夫が、十年後二十年後のご自分を守ってくれるのでございます。
また、お食事の見直しもこの季節にぴったりでございます。新緑の時期に出回る新玉ねぎ、新じゃが、そら豆、グリンピース。旬のものをお献立にひとつ加えるだけで、栄養も気分もずいぶん変わってまいります。お薬や健康食品に頼る前に、まずは旬のお野菜と十分な睡眠、そして何より穏やかな心持ち。この三つが、何よりの薬になってくれるのでございます。
その三、新しいことに挑戦しないこと
「もう年だから」「今さら始めても」と、新しいことを始めることを避けていらっしゃいませんか。けれども、新しい挑戦は、脳の老化を防ぐためにもとても大切なものでございます。脳科学の研究では、新しいことへのチャレンジが脳を活性化させて、若々しく保つために重要であることが分かっているのだそうでございます。
八十歳のかず子さんは、お孫さんに教えていただいてSNSでの発信を始められて、もうかれこれ五年目だそうでございます。今では旅先のお写真や、毎日の手料理、外食のお写真を載せて、楽しんでいらっしゃるのですって。八十歳から始めて五年。なんて素敵なことでしょう。
初めてのことにチャレンジするのは、不安もございますよね。手が震えたり、うまくできなかったり、人に聞くのが恥ずかしかったり。けれども、戸惑ってもよろしいのです。うまくできなくてもよろしいのです。分からないことがあったら、誰かに聞けばよろしいのでございます。
そして、決して大きな挑戦でなくてもよろしいのです。気になってはいたけれど、まだやったことのない小さなこと。「これならできるかも」と思えること。そんなことを少しずつ楽しみながらやってみる。それで十分なのでございます。
新緑の散歩道で見かけたお花の名前を調べてみる。ずっと気になっていたお店に一人で入ってみる。スマートフォンで撮った写真をお友達に送ってみる。本当にささやかなことから始めればよろしいのです。「もう年だから」と、ご自分にブレーキをかけないでくださいませ。「ちょっと気になるな」「楽しそうだな」と思ったご自分の心の声を大切にして、「えいっ」と一歩踏み出してみる。きっと新しいご自分に出会えるはずでございます。
新しいことを始めると、必ず「初心者の自分」に戻ることになります。これは、年齢を重ねた私たちにとって、とても新鮮で貴重な体験でございます。何かを上手にできる自分ではなく、戸惑ってもがいている自分を、可愛らしく愛おしく感じる時間。それは、人生のどの場面でも得難い宝物のような時間でございます。失敗してもよろしいのです。むしろ失敗の数だけ、人生の彩りが豊かになってまいりますもの。
その四、過去の失敗にとらわれ続けること
「あの時、もっとちゃんとしていれば」「あんなことを言わなければよかった」。そんな風に、昔のご自分を責めてしまうことはございませんか。年を重ねた分だけ、いろいろな失敗や後悔は誰もが経験していらっしゃるはずでございます。
けれども、その時のご自分も、きっと精一杯だったのでございます。一生懸命だったのでございます。あの状況で、あの年齢で、あの情報量で、できる限りのことをなさったはず。だから、どうかこれ以上、過去のご自分を責めないであげてくださいませ。
心理学では、過去にとらわれすぎると、今の幸福感が下がってしまうと言われているそうでございます。せっかく目の前に新緑のきらめく季節が広がっているのに、心がずっと過去の暗いお部屋にいるのは、もったいのうございますよね。
ふっと過去の失敗や後悔が思い出されてモヤモヤしてしまった時は、ぜひ次のようなことをお試しになってみてくださいませ。大きく息を吸って、ゆっくり吐いて、深呼吸をする。お枕に向かって「わあっ」と大きな声を出してみる。お散歩に出かけて、聞こえてくる音にじっと耳を澄ませる。鳥のさえずり、葉のざわめき、遠くの子供たちの声。大好きな音楽を聞きながら家事をする。そんなちょっとした行動が、「今ここ」のご自分に戻るきっかけになって、少し心がほどけてまいります。
過去のご自分は、今のあなたの大切な一部でございます。責めるのではなく、「よく頑張ってきたわね」と労ってあげましょう。新緑が古い葉を落として新しい命を芽吹かせるように、私たちもまた、過去にしがみつかず、今の自分を伸びやかに育ててまいりたいものでございます。
もし、どうしても忘れられない過去のしくじりがおありなら、紙に書き出してそっと丁寧にお焼きするのも、ひとつの方法でございます。書くだけで気持ちが整理されますし、燃えてしまえばもうそれは形を持ちません。心の中にしまい込んでおくよりも、ずっと軽やかになるはずでございます。過去の重たい荷物は、人生後半のリュックにはふさわしくございませんから、季節の変わり目に少しずつ降ろしてまいりましょう。
その五、お金の不安から楽しみを制限すること
「不安だから、老後資金を減らしたくない」「子供に迷惑をかけたくない」。そんな思いから、貯金を使うのが怖くてできなかった。けれども、心と体が元気なうちに、旅行や外食、お買い物、本当はやってみたかったことをやっておけばよかった。これは八十代の方々から、本当によく聞くお話でございます。
もちろん、安心のために貯蓄をすることは、日々の暮らしを守るためにとても大切なことでございます。けれども、これからの人生を楽しむために、ちゃんとお金を使うこともまた、同じくらい大切なのでございます。
決して大金を使う必要はございません。例えば、月に一度、美味しいケーキを買う。季節のお花を一輪買って食卓に飾る。日帰りで近場のお出かけに出かけてみる。「私にとって満足度の高いお金の使い方ってどんなことかしら」。そんなことを今あらためて考えて、小さな楽しみ、欲しいもの、やりたいこと、行きたいところなどのリストを、ご予算と一緒に書き出してみるのもおすすめでございます。
そして、「これなら今すぐできそう」と思える小さなことを、手始めに一つ叶えてみる。ささやかな一歩で構わないのでございます。たとえば、新緑の季節にしか味わえない若葉色の和菓子をお買いになって、お気に入りの湯のみで丁寧にお茶を入れて、ゆっくり召し上がる。それだけでも、立派な「自分を大切にするお金の使い方」でございます。
楽しいことに、きちんとお金を使うこと。それは、ご自分自身を大切にすることでもございます。お金は、貯めるためだけにあるのではなく、人生を豊かに彩るためにも存在しているのですから、どうかご自分の楽しみのために、少しずつでも使ってあげてくださいませ。
そしてもう一つ、お金の使い方で大切にしていただきたいのが、「人とのご縁を大切にするためのお金」でございます。久しぶりに会いたい方に会いに行くための交通費、お世話になった方への小さなお礼、家族とゆっくり過ごすためのお食事代。八十代の方々が口を揃えて「もっと使えばよかった」とおっしゃるのは、こうした「人とつながるためのお金」なのでございます。物よりも、思い出。思い出を作るためのお金は、何よりも価値の高い使い方ではないでしょうか。
五つの手放しが、人生後半を支えてくれます
本日お話しいたしました、六十代からの人生をより豊かにするために今すぐやめたい五つのこと、いかがでございましたか。あらためて並べてみますと、自分を後回しにしないこと、健康を大切にすること、新しいことに挑戦すること、過去にとらわれないこと、そしてご自分の楽しいことにちゃんとお金を使うこと。どれも本当に小さな心がけかもしれません。
けれども、この小さな積み重ねこそが、きっとこれからの人生の幸福度を、ふっくらと、しなやかに、底上げしてくれるのでございます。新緑の若葉が日ごとにみずみずしくなっていくように、私たちの毎日もまた、小さな選択の積み重ねで少しずつ豊かになっていくのですもの。
あなたは、もし過去に戻ってやり直せるとしたら、「これはやらないぞ」と思うことはございますか。もしよろしければ、ぜひコメントで教えてくださいませ。あなたの経験や気づきが、同じように悩んでいるどなたかの心を、ふっと軽くしたり、こわばりをやわらかくほぐしたりするかもしれません。
人生の後半は、何かを増やしていく季節というよりも、心の中の重たい荷物を一つひとつ手放しながら、自分にとって本当に大切なものだけを丁寧に手元に残していく季節なのかもしれません。それはきっと、お部屋の片付けと同じように、心の捨て活でもあるのでございます。要らない後悔、必要のない我慢、誰かに合わせるための無理。少しずつ手放してまいりましょう。
八十代の人生の先輩方は、私たちにこう語りかけてくださっているように感じます。「やらないで後悔するより、やって後悔する方がずっといい。元気なうちに、できるうちに、思ったその時に動きなさい」と。今日この記事をお読みいただいた皆さまには、どうかその声を心に刻んでいただいて、今日からのほんの小さな一歩を、踏み出していただきたいのでございます。
今日できる小さな一歩は、たとえば窓を開けて新緑の空気を深く吸い込むこと。お気に入りのお茶を丁寧に入れて、ゆっくり味わうこと。長らくご無沙汰していた方に、短いお葉書を一枚書いてみること。それだけでよろしいのです。明日に持ち越すのではなく、今日のうちに、ほんの一つ。それが、後悔しない人生への確かな第一歩になるのでございます。
これからのあなたの人生が、ご自分らしく、心地よく、そして豊かになりますことを、片付けマダムすみ子は心から願っております。新緑の風が吹き抜けるこの季節、どうかご自分にも優しい時間をたっぷりとお過ごしくださいませ。それではまた、次回の記事でお目にかかりましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。





