【ズボラさんが家が片付く10の意外な秘訣】50代60代の頑張らない暮らしの整え方
5月も下旬に入りまして、朝の散歩道では、つつじが終わりを告げ、入れかわるように紫陽花のつぼみが日に日にふくらんでまいりました。窓を開けますと、ひんやりとして、それでいてどこか甘やかな風が流れ込んでまいります。梅雨入り前のこの時期にしか味わえない、澄み切った爽やかな朝の空気でございますね。
朝の光は日に日に強くなり、5時を過ぎる頃にはお部屋の隅々まですっかり明るくなります。こんな朝は、心の中の重たいものまで、ひだまりに溶け出してくれるようで、ちょっと得をした気分でございます。
そして、梅雨入り前のこの時期こそ、暮らしを軽やかに見直す絶好のタイミングなのですよ。湿気で家がじっとり重たくなる前に、ふわりと風通しを良くしておきますとね、心まで一緒にすっきりしてまいります。
片付けと暮らしのヒントをお届けしている、すみ子でございます。
実はね、皆さま――最近私のもとに、こんなお声がたくさん寄せられております。「すみ子さん、私は本当にズボラで、片付けなんて向いてないんです」「家族からも、お前は片付けが下手だとよく言われるんですよ」――。
そのたびに、私はこう申し上げているのですよ。「ズボラさんこそ、整理上手の素質をたっぷりお持ちなんですよ」と。
ズボラさんはね、面倒くさいことを、ちゃんと面倒くさいと感じられる、正直な感覚をお持ちなのです。だからこそ、楽な方法を本気で探そうとされる。これはとても大切な力なんですよ。
今日はそんなズボラさんに向けて、頑張らずにお家が整う、10の意外な秘訣をお話ししてまいりますね。先日お届けした一気に変わる10の小さなコツは、1分以内の小さな所作のお話でしたが、今日は少し視点を変えて、考え方の角度から暮らしを軽くするお話でございます。
なお、お体に持病やご不安のある方は、必ずかかりつけのお医者様にもご相談くださいませ。重たいものを動かす時には、決してご無理をなさらないでくださいね。
👉なぜズボラさんほど、家が片付くのか
最初に、少しだけ大切なお話をさせてくださいませ。
ズボラさんが家を片付けると、不思議とリバウンドが少ないんですよ。なぜだと思われますか?
それはね、ズボラさんは「続かない方法」を本能的に避けるからなのです。完璧主義の方は、つい難しい仕組みを作って、ご自分を追い込んでしまわれます。けれどズボラさんは、最初から「これじゃ続かないわ」と感じれば、ぱっと方法を変えられる。これは、本当にすばらしい才能なんですよ。
ですから今日のお話を聞いていただく時は、どうかご自分を責めないでくださいね。「私はズボラだから無理」ではなく、「ズボラだからこそ、これができる」と、ぜひ前向きに受けとめてくださいませ。
それではいよいよ、10の意外な秘訣をご紹介してまいりますね。
👉① まずは、やさしいものから手を付ける
最初の秘訣は、捨て活のスタート地点を変えるお話でございます。
捨て活はね、お筋を鍛える運動とよく似ているのですよ。いきなり重たいバーベルを持ち上げようとしたら、お体を痛めてしまいます。お片付けも同じで、いきなり思い出のアルバムから始めるから、心がへとへとになって、結局やめてしまうのです。
ですから、まずは迷う余地のないものから始めていただきたいのですよ。明らかなゴミ、空き箱、書けなくなったボールペン、賞味期限の切れたお醤油。こういう、心が痛まないものから手を付けてまいります。
67歳のF子様は、最初の3日間、ひたすら空き箱とチラシだけを処分なさいました。それだけで玄関の景色がすっきりしたそうで、その勢いのまま、押入れの段ボール箱にも自然と手が伸びたとおっしゃっておられました。小さな成功は、次の行動の燃料になるのですよ。
👉② 散らかりは、ひとかたまりで見ない
2つ目の秘訣は、見方をほんの少し変えるだけのお話です。
お部屋の隅にできてしまった、散らかりの吹きだまり。あれをパッと眺めると、もう片付ける気が一気になくなってしまいますよね。「無理、絶対無理」と、心が立ち止まってしまう。
これはね、脳が散らかりを「ひとかたまりの大きな塊」として認識してしまうからなのですよ。本当はバラバラのものが集まっているだけなのに、ひとつの巨大な敵に見えてしまう。これでは、誰だって手が止まります。
ですから、まずは深呼吸をして、たった1つだけ手に取ってみてください。雑誌が1冊、レシートが1枚、お菓子の袋が1つ。そのたった1個を、ゆっくり処理する。塊を糸を解くようにバラしていけば、片付けの糸口は必ず見えてくるんですよ。
72歳のG子様は、リビングの吹きだまりを「1日1個ほぐすルール」で取り組まれました。3週間後にはテーブルの天板がすっかり見えるようになり、ご主人もびっくりなさったそうでございます。
👉③ 「ここにある意味、本当にある?」と問いかける
3つ目の秘訣は、私が「魔法の質問」と呼んでいる、とっておきの一言でございます。
ゴミではないけれど、不用品とも言いきれない。たまには使うかもしれないけれど、今は使っていない。そんな、しっくりこないお品が、机の上やテーブルにポンと置かれていらっしゃいませんか?
そういうお品を見つけたら、心の中でそっと聞いてみてください。「ここにある意味、本当にある?」と。
不思議なものでね、この質問をすると、答えは意外と早く返ってくるんですよ。「ここじゃないわ」と感じたら、引き出しや棚に住所を決めてあげる。あるいは思いきって手放してもよろしいのです。
出しっぱなしのお品って、ホコリの避難所になってしまいますし、お掃除のときの邪魔者になります。「ある意味のないもの」を1つ片付けるだけで、お部屋の空気はふわっと変わってまいりますよ。
👉④ あえて、深いところを掘り返してみる
4つ目の秘訣は、ちょっと勇気のいるお話でございます。
きれいに並んだ棚、何年も開けていない引き出し、押入れの奥の段ボール箱。こういう「触らずに済んでいる場所」って、つい後回しにしてしまいますよね。大ごとになりそうで、おっくうになるお気持ち、本当によく分かります。
でもね、ときには勇気を出して、あえて掘り返してみていただきたいのですよ。
もう二度と読まないであろう本、昔の年賀状の束、使わなくなった保険証券のコピー、賞味期限の切れた乾物。過去には大切でも、今のあなたには不要なものが、ごっそり見つかることが本当に多いのです。
75歳のI美様は、長らく触っていなかった本棚を、半日かけて見直されました。結果、本が3割減って、地震のときの転倒リスクまで下がったそうですよ。「掘り返す日」を月に1回だけ作る――これも素敵な習慣でございます。
👉⑤ 時間に、あえて区切りをつける
5つ目の秘訣は、時間との上手な付き合い方のお話です。
「今日は1日まるごと片付けに使えるわ」と思った日に限って、なぜか進まないこと、皆さまにもおありではないでしょうか?
あれはね、時間がたっぷりあると思った瞬間に、心がゆるんでしまうからなのですよ。「まだ時間あるから、もうちょっとテレビ見ようかしら」――そうこうしているうちに、夕方になってしまう。
そこで効くのが、あえて時間を区切る工夫でございます。お昼までのあと30分だけ。テレビが始まるまでの15分だけ。お湯が沸くまでの5分だけ。そんな小さな締めきりを設けると、不思議とスイッチが入るのですよ。
キッチンタイマーをカチッと押す、それだけで動きが変わってまいります。短い時間で集中したほうが、体も疲れず、達成感もしっかり残ります。ズボラさんにこそ、ぴったりの方法でございます。
👉⑥ 理想のお部屋を、ゆっくり妄想する
6つ目の秘訣は、心の中で景色を描く、ちょっと夢のあるお話でございます。
皆さまにとって、理想のお部屋って、どんな景色でしょうか?
テーブルに何も載っていない、静かなリビング?お気に入りの絵が1枚だけ飾られた、美術館のような空間?ホテルにチェックインしたばかりの、あの清潔な感じ?
この「ゆっくり妄想する」という時間が、実はとても大切なのですよ。理想の景色を心に思い浮かべると、目の前の段ボール箱が急に邪魔に見えてくる。棚の上のホコリかぶった置物に、「もう手放してもいいかしら」という気持ちが芽生えてくるんです。
68歳のX子様は、毎晩寝る前に5分だけ、理想のリビングを目を閉じて思い描く時間を作られました。2か月後、そのリビングは本当に妄想通りの景色に近づいたそうでございます。心が先に、現実を引っ張ってくれるのですよ。
👉⑦ 楽をすることを、堂々と優先する
7つ目の秘訣は、捨て活の本当の目的のお話でございます。
捨て活って、なんのためにするのだと思われますか?
それはね、ずばり、楽をするためなんですよ。お掃除を楽にするため、お探し物を減らすため、心の重さを軽くするため。つまり捨て活は、頑張るための行為ではなく、頑張らなくて済むようにするための行為なのです。
お品は、持てば持つほど、お掃除の手間も、収納の悩みも、修理の心配も増えていきます。ホコリを払って、どかして、また戻して――この繰り返しが、毎日の体力を少しずつ削っていくのですよ。
ズボラさんこそ、不用品を手放して、未来のご自分を楽にしてあげていただきたい。71歳のJ枝様は、思いきってお台所のお鍋を半分にされました。そうしましたら、お料理の支度が早くなって、ご主人とお茶を飲む時間がふんわり増えたそうですよ。
「楽したい」は、決してわがままなお気持ちではございません。これは、長く穏やかに暮らすための、大切な戦略なのです。
👉⑧ 無理やり使おうとしない
8つ目の秘訣は、まじめな方ほど陥りがちな落とし穴のお話でございます。
たとえば、サイズの合わないカラーボックス。使いにくい収納かご、奥行きが合わない棚、フックの位置が悪いハンガーラック。「捨てるのはもったいない」と、無理やり押し入れに残してはいらっしゃいませんか?
合わないものを使い続けますとね、毎日のお片付けが少しずつしんどくなっていくのですよ。出し入れのたびにイラッとして、結局そこに物を入れなくなって、ただ場所だけ取っている――そんな悪循環が始まってしまいます。
合わないものは、潔く手放す。そのほうが、心も時間もずっと豊かになるんですよ。
69歳のL代様は、長年使っていた幅の合わない食器棚を、思いきって手放されました。代わりに小ぶりな棚を入れたら、お台所が一気に広く感じられるようになり、お料理が楽しくなったとお喜びでございました。家具を「卒業させる」のも、立派な捨て活なのですよ。
👉⑨ 手放しにくいものは、写真に残す
9つ目の秘訣は、心を守りながら手放す方法のお話です。
着ていないけれど、思い出がいっぱい詰まったお洋服。いただきもので、捨てるのは申しわけない置物。お子様が小さかった頃のランドセルや絵本。こういう「心が引っかかるお品」って、無理に手放そうとすると、後で胸が痛むこともあるのですよ。
そんなときは、お写真を撮るという方法を、どうぞ覚えておいてくださいませ。
お写真を1枚撮っておけば、お品物が形を変えて、思い出だけが手元に残ります。スマートフォンの中に大切にしまっておけば、見たい時にいつでも見られる。これは、お品物にも、ご自分の心にも、優しいやり方なのですよ。
73歳のN美様は、お嬢様のランドセルとお洋服を、ていねいに並べて写真に収められました。その1枚が宝物になり、本物のランドセルは安心して手放せたそうでございます。「思い出は心にある」――この感覚を、ぜひ大切にしてくださいませ。
罪悪感なく物を減らす考え方については、シニアが罪悪感なく物を減らす5つのコツもあわせてご覧いただくと、もっと心が軽くなりますよ。
👉⑩ ご自分の幸せのために、時間を使う
最後の10個目は、捨て活の一番大切な目的のお話でございます。
人生の時間って、限りがありますよね。その大切な時間を、なにに使うかで、暮らしの色は大きく変わってまいります。
お片付けや、不用品を探したり戻したりする時間ばかりに追われるのは、本当にもったいないことなのですよ。お品を減らせば、お掃除の時間がぐんと減ります。そうしますと、本を読む時間、お茶を楽しむ時間、お孫様とお話する時間が、ふんわりと増えてまいります。
それこそが、捨て活の本当のご褒美なのでございます。
朝起きたとき、すっきりしたお部屋を見るだけで、心がふっと幸せになる。お出かけから帰ってきたとき、「ただいま」と言える静かな空間がそこにある。そんな日々を、ズボラさんだからこそ、手に入れていただきたいのですよ。
頑張る暮らしから、頑張らない暮らしへ。10の秘訣は、すべてそのためにあるのです。
捨て活のリバウンドを防ぐ仕組みについては、リバウンドしない7つの仕組みも、あわせてお読みいただくと心強いですよ。
👉やりがちな「3つの失敗パターン」
10の秘訣をご紹介してまいりましたが、ここで多くの方が陥りやすい失敗パターンを3つ、そっとお伝えしておきますね。
A. 10個全部を一気に始めようとしてしまう
これがね、続かない一番の原因なんですよ。「明日から全部やるわ」と意気込まれた結果、3日でへとへとになり、捨て活ごとお休みになる――こんなパターンを、私は何度も見てまいりました。
大切なのは、1つだけ選ぶこと。今日のお話の中で、「これなら私にもできそう」と感じた秘訣を、たった1つだけ実践してみてください。1つが習慣になったら、次の秘訣を足していけばよろしいのです。
B. 「ズボラだから無理」と最初から諦めてしまう
「私はズボラだから片付けなんて向いてないんです」――このセリフ、本当に本当にたくさんお聞きしますの。
でもね、ズボラさんこそ、この10の秘訣にぴったりなんですよ。だって全部、頑張らない方法ばかりなんですから。ズボラはむしろ強み。面倒くさいと感じる感覚を、どうぞ大切になさってくださいね。
C. 完璧にできなかった自分を責めてしまう
「今日は1個も手放せなかった」と、ご自分を責めないでくださいね。6割できれば、それで100点でございます。週に5日のうち3日できれば、十分すぎる合格点なんですよ。
責めるのではなく、続けられたご自分を、たくさん褒めてあげてくださいね。続けるコツは、いつだって、ご自分への優しさでございます。
👉今日からゆっくり始める「5つのステップ」
「10個もあると、何から始めたらいいかしら」とお感じになった方へ、今日から無理なくスタートできる5つのステップをご紹介いたしますね。
ステップ1:明らかなゴミ袋を1つ、玄関に置く
これが、一番やさしい一歩でございます。45リットルの袋を1つ、玄関の隅にそっと置く。それだけ。
目に入った不用品を、思い立った時にポンと入れていく。ペンが書けなかったらポン、賞味期限切れの調味料を見つけたらポン。1週間で袋がいっぱいになれば、それだけで暮らしは確実に軽くなっていますよ。
ステップ2:出しっぱなしのお品に、1日1回問いかける
「ここにある意味、本当にある?」――この魔法の質問を、1日1回、どこかのお品に投げかけてみてください。
たった3秒の問いかけが、お部屋の景色を少しずつ変えてまいります。意味のあるお品はそのまま、意味のないお品は引き出しか、ゴミ袋へ。
ステップ3:寝る前に、理想のお部屋を5分だけ妄想する
目を閉じて、心の中でゆっくり描く。それだけで、明日の動き出しが軽くなります。
「机に何もない景色」「窓辺にお花が1本」「お気に入りの絵が1枚」――どんな景色でも構いません。妄想することそのものが、ご自分への優しいギフトなのですよ。
ステップ4:キッチンタイマーで5分だけ片付ける
「今日は片付けの日」と決めなくて大丈夫。お湯を沸かしている5分だけ、引き出し1つだけ。これでよろしいのです。
5分の積み重ねは、1か月で2時間半。これは、休日を1つ片付けに使うのと、ほぼ同じ時間でございます。
ステップ5:1週間に1個、思い出のものを写真に撮る
毎日でなくて構いません。1週間に1個でいいので、心が引っかかるお品をお写真に収めてみてください。
撮ったあとに、「やっぱり残す」も大正解。「これでお別れできる」も大正解。お写真は、心の整理を助けてくれる、優しい道具なのですよ。
👉おわりに:ズボラなままで、お家はちゃんと片付きます
皆さま、長いお話に最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
ズボラは、決して悪いことではないのですよ。むしろ、頑張らない暮らしを設計する才能を、たっぷりお持ちだという証なのです。
今日ご紹介した10の秘訣は、どれもズボラさんの強みを、暮らしの整いに変えてくれるものばかりでございます。
やさしいものから始めて、塊をほぐして、ここにある意味を問いかける。深いところを掘り返して、時間に区切りをつけて、理想を妄想する。楽を優先して、無理やり使うのをやめて、思い出は写真に。そして最後は、ご自分の幸せのために時間を使う――。
大切なのは、ご自分のペースで、ほんの少しずつ、ゆっくり始めること。1日1個、明らかな不用品を手放すだけで、1年後には365個もお品が減るんですよ。1年後のお家の景色は、きっと今とは別の世界になっているはずでございます。
完璧でなくて、大丈夫。
がんばらなくて、大丈夫。
ズボラなままで、お家はちゃんと片付いてまいります。
- まずは明日、玄関にゴミ袋を1つ置くことから。
- 明後日は、出しっぱなしの1つに「ここにある意味ある?」と問いかけることから。
- その次の日は、寝る前5分の妄想タイムから。
そんなほんの小さな積み重ねが、皆さまの毎日を、ふわりと軽やかにしてくれます。
片付けマダムすみ子は、ズボラさんの皆さまの暮らしが、頑張らなくても穏やかに整っていく日々になりますよう、心から応援しておりますわ。
それでは、また次のブログでお会いいたしましょうね。
ごきげんよう。





