父の日に喜ばれるシニアプレゼント10|お父さんの本音と物より時間と気持ち
6月の風がふっと夏の気配を運んでくる頃、町のお花屋さんの店先に黄色いひまわりや向日葵のラッピングが並びはじめます。あら、もうそんな時期かしら――。母の日のカーネーションの華やかさに比べると、父の日はどこか控えめで、毎年なんとなく通り過ぎてしまう、そんなご家庭も多いのではないでしょうか。
こんにちは、すみ子です。お忙しい中お越しいただきありがとうございます。
毎年この時期になりますと、私のもとには「父の日に何を贈れば喜ばれるのかしら」「去年は予算オーバーしたのに、夫はあまり嬉しそうじゃなかった」「そもそも父はもう何も欲しがらないのよ」――そんなご相談が次々と届きます。
実はある調査によりますと、父の日に何ももらわない男性は全体の4割を超えるそうです。
一方で同じ調査の中で、本当は何かもらえると嬉しいと答えたお父様は、なんと7割近くにのぼりました。
この大きな差こそが、シニア男性の本音と、ご家族の現実とのあいだに横たわる、しずかな溝なのですね。
そして長年たくさんのご家庭にお邪魔してきた私が現場で痛感しているのは、もう一つ別のギャップでございます。
それは――高価な物を贈っても、かえってお父様を困らせてしまうケースが、本当に多いという現実です。
シニア世代は、物に囲まれて生きてきた世代です。
60代70代80代になられたお父様方の本音は、新しい物を増やしたくない、片付けに困る、子供たちに迷惑をかけたくない――。そういう静かな声なのですよ。
だからこそ今日は、物として邪魔にならず、しかも本当に喜んでいただける10のプレゼントを、ひとつずつご一緒に見てまいりましょう。
さらに後半では、良かれと思って贈ったのに、実はあまり喜ばれない「避けたい3つの物」もこっそりお伝えしますね。
なお、持病やご体調にご不安のあるお父様には、必ず事前にご家族でご相談いただいて、無理のない贈り物を選んでくださいませ。

👉なぜ「物」より「時間と気持ち」なのか
まず初めに、なぜ私が「物より時間と気持ちを贈ってください」と繰り返しお伝えしているのか。そのお話を少しだけさせてくださいませ。
シニア世代のお父様方の多くは、すでに身の回りの物に不自由していらっしゃいません。
若い頃に欲しくても買えなかった物、出世のたびに揃えた高価な趣味の品、奥様やお子様から贈られた数々の記念品――。お家の中には、もう十分すぎるほどの物があふれているのです。
そこへさらに新しい物が届くと、お父様の心の中ではこんな声がそっと響きます。
「どこに置こうかしら」「これも、いつか自分が片付けるんだな」「子供たちに、また気を遣わせてしまったな」――。
表向きは笑顔で受け取ってくださっていても、内心では小さな負担になっていることが、本当に多いのですよ。
一方で、お父様方が心の底から欲しがっていらっしゃるもの。それは、ご家族と過ごす時間と、温かい言葉なのです。
お子様が独立し、奥様と二人きり、あるいはお一人暮らしになられたお父様にとって、「あなたのことを大切に想っているわ」と伝えてもらえる機会は、年に数回しかございません。
つまり父の日とは、物を贈る日ではなく、「お父さん、大好きよ」と伝えるための、年に一度の貴重な口実なのですね。
そう考えると、プレゼント選びの軸がふっと変わってまいります。
👉① 好物のお取り寄せ――形に残らない最高のごちそう
お父様が昔から大好きだったあの味。故郷の名物、若い頃によく食べたお店の品、ずっと気になっていた高級な果物――。
これらを通販でお取り寄せしてお届けすると、お父様は本当に喜んでくださいます。
食べ物の良いところは、何と言っても「形に残らないこと」。
押入れを圧迫することもなく、賞味期限内に味わえばそれで完結してしまうのです。
68歳のT夫様は、お孫さんから北海道の毛蟹を贈られて、涙ぐんでいらっしゃったそうです。
若い頃の出張で食べた毛蟹の味が忘れられず、ずっとご自分では買う機会がなかったとのこと。「このトシになって、こんな贅沢ができるなんてなあ」と、奥様と二人で湯気の立つ蟹をつつかれた夜のことを、今も大切な思い出として語っていらっしゃいます。
予算は3000円から1万円程度。
通販サイトで簡単に手配できますし、配達日もきちんと指定できますから、遠方にお住まいのお父様にもピッタリですよ。
👉② 電動歯ブラシ――お口の健康はお体全体の健康
シニア世代にとって、お口の健康は、お体全体の健康の土台でございます。
歯周病が心臓病や糖尿病と関係していることは、もう広く知られるようになりました。
でもお手で磨いていますと、奥歯までしっかり届かなかったり、歯ブラシを握る力が入らなくなってきたり――。年齢とともに、思うように磨けなくなってくるのですね。
電動歯ブラシは、握って当てるだけで、振動の力が汚れをきれいに落としてくれます。
72歳のK男様は、娘さんからプレゼントされた電動歯ブラシを毎日大切に使っていらっしゃいます。
最近の歯科検診で「歯茎の状態が良くなりましたね」と言われたそうで、「娘のおかげで歯医者通いが減ったよ」と嬉しそうにお話しされていました。
予算は5000円から1万5000円ほど。
替えブラシも一緒に贈ってさしあげると、さらに親切ですね。
👉③ 軽い水筒――毎日の散歩のお供に
お散歩や通院、ちょっとしたお出かけに、水筒は本当に便利な相棒です。
ペットボトルを買い続けるより経済的で、エコでもあります。
ただし、シニア世代のお父様には、重たい水筒は負担になってしまうのですよ。
ぜひ200グラム以下の軽量タイプを選んでさしあげてください。
75歳のH夫様は、200ミリリットル入りの軽い水筒を、毎朝の散歩のお供にしていらっしゃいます。
熱中症予防にもなりますし、何よりポケットに入る安心感があるそうです。「これがあると、ちょっと遠くまで歩いてみようかなって気持ちになるんだよ」――そんな小さな冒険心を呼び戻してくれるのも、軽い水筒の魅力ですね。
予算は2000円から5000円。
保温保冷機能があれば、夏も冬も一年を通して活躍してくれますよ。
👉④ 夏向け涼感パジャマ――睡眠の質を変える一着
梅雨明けから真夏にかけての、あの寝苦しい夜。
シニア世代の睡眠の質は、お体の調子に直結いたします。
綿100パーセントや麻混の涼感素材のパジャマは、汗をしっかり吸ってくれて、肌触りもさらりと心地よいんですよ。
69歳のM夫様は、奥様からプレゼントされた麻のパジャマで、夏の睡眠の質が大きく変わったそうです。
夜中に何度も目が覚めることがなくなり、朝の目覚めもすっきり。「眠りが深くなると、こんなに体が軽くなるものかね」と、ご本人もびっくりされていました。
予算は5000円から1万円ほど。
お父様の身長と体型を確認してから、ゆったりめのサイズを選んでくださいね。
👉⑤ 老眼鏡ホルダー――探し物の時間を消す小さな工夫
新聞を読むとき、テレビを見るとき、スマートフォンを操作するとき。
「あれ、老眼鏡どこに置いたかしら」――これは、シニア世代の本当によくあるお悩みなのですよ。
首から下げられるホルダー、卓上スタンド、お洒落な革ケース。種類も豊富にございます。
73歳のS夫様は、お孫さんから革の老眼鏡ケースを贈られて、毎日大切に使っていらっしゃいます。
失くすことが減って、探し物の時間がほぼゼロになったとお喜びでした。
予算は2000円から5000円。
お父様のお洋服の趣味に合わせた色や素材を選んでさしあげると、さらに使いたい気持ちが高まりますよ。
物を減らすことが暮らしを楽にする、という考え方については、掃除の時間を今の3分の1に減らす方法でも詳しくお話ししておりますので、ぜひあわせてご覧くださいませ。
👉⑥ 孫からの手紙――予算ゼロで効果絶大
これは予算ゼロですが、効果は絶大なんですよ。
お孫さんが書いた手紙。字がたどたどしくても、絵が下手でも、全く関係ありません。
「おじいちゃん だいすき いつもありがとう」――。たったこれだけの一言が、お父様の宝物になるのです。
70歳のN夫様は、5歳のお孫さんからもらった手紙を、仏壇の横の棚に大切に飾っていらっしゃいます。
寂しい時にそっと取り出して読み返すのが、何よりの楽しみだそうです。
小学生のお孫さんなら、作文のような長い手紙を。中学生以上なら、短いメッセージカードでも十分。
お孫さんの年齢に合わせて、自然に書けるものをお願いしてみてくださいね。
👉⑦ 食事に行く時間――一緒にテーブルを囲む贅沢
物ではなく、一緒に過ごす時間を贈る。
これは現代のシニア世代に、最も喜ばれるプレゼントの形になりつつあります。
お父様の好きなお店、行ってみたかったレストラン、昔行きつけだったお寿司屋さん。
そこでゆっくりとお食事をする時間を、父の日のプレゼントにするのです。
71歳のY夫様は、息子さん家族と銀座のお寿司屋さんに行った思い出を、今でも嬉しそうに語っていらっしゃいます。
お孫さんが初めて食べたウニに、目を真ん丸にして驚いていた表情。「あの顔だけは、一生忘れられないなあ」と、ふと遠くを見るような目をされるのですよ。
予算はお店のランクで様々ですが、大切なのは金額ではなく、一緒に過ごす時間の長さです。
2時間、3時間――ゆっくりと、お話をする。それがお父様への最高のプレゼントになります。
👉⑧ 温泉ペアチケット――ご両親への長年の労いを込めて
ご両親の長年の労いを込めて、温泉旅行のペアチケットを贈る。
これも本当に喜ばれるプレゼントです。
日帰り温泉なら1人3000円から5000円。1泊2日の温泉旅館なら2人で3万円から5万円程度。
ご予算に合わせて選べるのが、温泉ギフトの良いところですね。
74歳のI夫様は、娘さんから箱根の温泉ペアチケットを贈られて、久しぶりに奥様と二人きりの時間を過ごされたそうです。
結婚50年、初めての二人だけの温泉旅行。「子育ても仕事もひと段落して、あらためて妻に感謝した夜だったよ」――そう語るお顔は、少年のように照れていらっしゃいました。
お父様のご体調や移動距離も考えて、お住まいから無理のない範囲のお宿を選んでくださいね。
👉⑨ 庭仕事の手伝い――体を動かす親孝行
お庭のあるお宅にお住まいのお父様には、これが本当にありがたいプレゼントになります。
植木の剪定、草むしり、落ち葉の片付け。
体力的に大変になってきた作業を、息子さんやお孫さんが手伝う。これだけでお父様は、心からホッとされるのですよ。
76歳のW夫様は、息子さん家族が父の日に来てくれて、一緒にお庭の手入れをしてくれた日が一番嬉しかったそうです。
お孫さんが小さなスコップで土を掘っている姿を眺めながら、お父様もご家族も、穏やかな初夏の時間を過ごせたとのこと。
お金もほとんどかからず、体も動かせて、お父様の心も軽くなる。
まさに三方よしの素晴らしいプレゼントですね。
シニアの方の体力的なご負担については、シニアの大型家具や家電の手放し方でも触れておりますので、参考になさってください。
👉⑩ 何もしないで一緒にいる時間――最大のプレゼント
これが今日お伝えする中で、一番大切なプレゼントかもしれません。
何かをするのではなく、ただ一緒にいる。
お父様の隣に座って、お茶を飲む。テレビを一緒に見る。昔のアルバムを開いて、思い出話をする――。それだけで、十分なのですよ。
78歳のO夫様は、奥様を亡くされて以来、お一人で過ごす時間が増えたとお話されていました。
父の日に娘さんが来て、ただ隣に座って2時間お茶を飲んでくれただけで、「涙が出るほど嬉しかった」とおっしゃるのです。
シニア世代が本当に欲しいのは、高価な物ではなく、大切な人と過ごす穏やかな時間。
このことだけは、どうか心に留めておいてくださいませ。
👉良かれと思って贈ると喜ばれない「避けたい3つの物」
ここで、良かれと思って贈ると、かえって喜ばれない――そんな「避けたい3つの物」を、こっそりお伝えしておきますね。
これを知っておくと、失敗のないプレゼント選びができますよ。
避けたい1つ目:健康器具系
マッサージ機、健康サンダル、室内運動器具、万歩計付きの腕時計――。
これらは贈る側の親切心から選ばれることが多いのですが、お父様にとっては「押し付けがましい」と感じられることがあるのですよ。
「健康のために使ってね」と言われると、お父様は「もっと運動しなくちゃ」とプレッシャーになってしまうんですね。
さらに大型の健康器具は置き場所にも困り、結局使われなくなってお部屋の隅でホコリをかぶる結果に。
67歳のP夫様は、息子さんから贈られた高価なマッサージチェアを、結局ほとんど使わずに、10年後に処分する羽目になったそうです。処分費用は3万円もかかったとのこと。
健康関連のプレゼントは、お父様ご自身が「欲しい」とおっしゃっているものに限定するのが正解です。
避けたい2つ目:高級酒
「お父様は昔よくお酒を飲んでいたから、高級な日本酒や焼酎を贈ろう」――。このお気持ちは素敵ですが、ちょっと待ってくださいませ。
シニア世代は若い頃と比べて、お酒に弱くなっていることが本当に多いのです。
健康診断で節制を言われていたり、血圧やコレステロールのお薬を飲んでいたりして、お酒を飲めなくなっているお父様も少なくありません。
72歳のJ夫様は、毎年息子さんから高級ワインをプレゼントされていましたが、健康上の理由で飲めなくなり、棚に未開封のまま飾っていらっしゃいました。「もったいなくて誰にもあげられず、申し訳ない」と、ご本人がかえって心を痛めていらっしゃるご様子でした。
お酒を贈る前には、必ず「最近お酒は飲んでいる?」と、さりげなく確認してからにしてくださいね。
飲めない方には、ノンアルコールビールや上質な日本茶、高級なジュースの方が喜ばれますよ。
避けたい3つ目:趣味と合わない服
お父様の趣味を考えずに選んだ洋服。これは本当によくある失敗です。
息子さんから贈られたカジュアルなジャケットが、お父様の好みと合わずタンスの肥やしに。娘さんが選んだ明るい色のセーターを、「派手すぎて着られない」と感じてしまう――。
洋服は人それぞれの好みが強く出るアイテムなので、プレゼントには向きにくいんですよ。
75歳のQ夫様は、娘さんから贈られたピンクのポロシャツを、一度も袖を通さずクローゼットに眠らせていらっしゃいます。
どうしても洋服を贈りたい場合は、必ず一緒にお買い物に行って、お父様ご自身に選んでいただくのが一番でございます。
👉父の日のプレゼント選びでよくある「3つの失敗パターン」
失敗パターン1:値段で気持ちを表そうとすること
「高ければ喜んでもらえる」というのは、大きな勘違いなのです。
シニア世代は、値段よりも気持ちを大切にされます。3000円のお取り寄せでも、5000円の手紙付きの軽い水筒でも、お父様の喜びはお値段とは関係ないのですよ。
失敗パターン2:自分の趣味で選んでしまうこと
ご自身が「良い」と思うものを贈っても、お父様の好みと違えば喜ばれません。
贈る前に「最近何が必要?」と、さりげなくお聞きするのが大切です。
失敗パターン3:当日だけで終わらせてしまうこと
父の日当日にプレゼントを渡して、それで終わり――。これではお父様は、少し寂しいんですね。
その後も電話を1本かけたり、短いメッセージを送ったり。続いていく心遣いこそが、お父様の心を温めてくれます。
👉今日から始める「5つの簡単ステップ」
「10個もあると、どれを選べばいいのかしら……」とお感じになった皆さまに、今日からすぐに始められる5つの簡単ステップをご紹介しますね。
ステップ1:お父様の最近の困りごとを聞き出す
さりげなく「最近何か困っていることはない?」とお聞きしてみてください。
老眼鏡を失くす、寝苦しい、散歩の途中で喉が渇く――。その答えの中に、本当に喜ばれるプレゼントのヒントが隠れていますよ。
ステップ2:物より体験を優先する
迷ったら、物ではなく体験を選びましょう。
お食事、旅行、一緒に過ごす時間。シニア世代にとっては、これが何より嬉しいプレゼントになります。
ステップ3:お孫さんを巻き込む
お孫さんからの手紙、お孫さんと一緒にプレゼントを選ぶ、お孫さんが描いた絵を添える。
お孫さんの存在は、お父様にとって人生最大の喜びです。
ステップ4:予算を3000円から1万円に絞る
高すぎないことが、かえって心地よく受け取れるポイントです。
お父様に気を使わせない金額で、実用的なものを選んでください。
ステップ5:言葉も一緒に贈る
「いつもありがとう」「お父さん大好きよ」――。
プレゼントと一緒に必ず言葉を添えてください。この一言が、プレゼントの価値を10倍にしてくれますよ。
👉おわりに:お茶を一杯、そっと差し出すように
皆さま、長いお話に最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
父の日のプレゼントで一番大切なのは、何を贈るかではなく、お父様を想う気持ちなんですよ。
シニア世代のお父様方は、物に囲まれて生きてきた世代。だからこそ物そのものよりも、想いと時間を求めていらっしゃいます。
3000円のプレゼントに、2時間の会話。
お孫さんからの手紙に、一杯のお茶。
そんな小さな時間の積み重ねが、お父様の人生をしずかに豊かにしてくれます。
今年の父の日は、ぜひお父様の隣に座って、お茶を一杯だけ飲んでみてください。
それだけでお父様は、きっと言葉にできないほど嬉しいはずですよ。
シニア世代の暮らしの整え方については、70代ひとり暮らしの時間術もあわせてご覧いただけますと、お父様の毎日への理解がより深まるかと思いますわ。
片付けマダムすみ子は、皆さまの父の日が、お父様にとってもご家族にとっても、心温まる一日になりますよう、心から応援しておりますわ。
それでは、また次のブログでお会いしましょうね。
ごきげんよう。





